2024年3月6日水曜日

中学校 卒業式


第50回中学校卒業式










式辞

 冬の寒さが残りつつも、やわらかな陽射しが差し、春の訪れを感じる、この佳き日に、学校法人浪速学院 浪速中学校・第50回卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生、教職員にとりましても大きな慶びであります。

 まず、ご来賓として浪速高等学校・浪速中学校PTA会長 坂中真二様をはじめ、PTA役員の皆様にご臨席を賜り、生徒たちの門出に華を添えて戴きましたこと、壇上からではございますが、厚くお礼申し上げます。

保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。3年前、コロナの感染がまだまだ深刻であり、日常生活が大きく制限される中ではありましたが、期待と夢を持って本校にご入学していただきました

 中学生は、心も身体も大きく成長する多感な時期で、ご心配の種が尽きなかったのではないでしょうか。それだけに、本日、義務教育を無事に終え、立派に成長された姿を目の前にして、感慨もいかばかりかと拝察申し上げます。

 この3年間、教職員一丸となり、「生徒たちの安全、そして学びの保障」ということを第一に、教育活動に取り組んで参りましたが、至らない点も多々あったかと思います。どうかご容赦をお願い申し上げますと共に、本校にお寄せ戴きました、暖かいご支援、ご理解、ご協力に対し、心より感謝申し上げます。

 さて、133名の生徒の皆さん、卒業おめでとう。「中学校3年間」という大切な青春時代、その多くの時間を、コロナ禍によって翻弄された毎日でしたが、皆さんはそれらの日々を、努力と我慢によって乗り越え、今、卒業の瞬間を迎えています。

 かけがえのない仲間とともに、全力で駆け抜けた中学校生活でしたね。今、皆さんが手にしている卒業証書には、様々な思い出が刻み込まれていることと思います。

 クラブ活動では、勝利を目指し、チームの仲間とともに練習に打ち込んだこと。決して平坦な道ばかりではなく、躓いたり、悩んだりしたこともあったことと思いますが、その一つ一つが中学校時代の貴重な経験として、将来、生きてくることでしょう。

 3年生になってようやく今までの平穏な日常を取り戻すことが出来、クラスが一つにまとまっていく「合唱コンクール」や「浪速祭」、縄文杉や白谷雲水狭を目指す「屋久島修学旅行」といった「中学校生活のハイライト」とも言える行事がやっと実施できました。皆さんは友人との絆を深め、多くのことを学んでくれました。

 皆さんは、コロナ禍の日々を過ごす中で、「何気ない普通」ということが、どれほど尊いものであったかに、気が付いたのではないでしょうか。

  浪速中学校は、神社神道を建学の礎として、大正12年に開校された「旧制浪速中学校」をその前身として歴史を刻んできました。そして今年度開校100周年を迎えました。君たちはその節目の年に本校に在籍し卒業を迎えました。ご両親をはじめ、お世話になった多くの方々への感謝の気持ちを持つことが、浪速の伝統を引き継ぐことにつながります。

そして皆さんが歩み出す新しい100年は、変化の激しい世紀になることは間違いありません。しかしそのような時代だからこそ、人間にしかできないこと、「人を尊敬すること」「人を思いやること」「感謝の心を持つこと」など、道徳の授業を始めとして、浪速中学校で学んだ人間としての魅力を磨いていってください。 

このことは、木村理事長・学院長先生が、一斉参拝などの講話で述べられている「今を一生懸命に生きる」「今日という日を大切に生きる」という神社神道の教えに通じることでもあります。  人生が終わった後の安寧を願うのではなく、今まさに生きているこの一瞬一瞬を必死になって生きることで充実した素晴らしい人生を送れると思っています。それができてこそ、その後の安寧がもたらされるものであると私は考えます。このことをしっかりと自覚し、高校に進み、また今後の人生をしっかりと生き抜いていただきたいと思います。

 最後に、朝礼でも話をしたことですが、もう一度伝えたいと思います。それは「過去の自分を乗り越える」ということです。

 自分の一番のライバルは昨日の自分であって、決して他人ではありません。昨日の自分に打ち勝つように日々努力してもらいたいと思います。長期的な目標としては、「こうなりたい自分」をイメージしてその自分に近づき、その自分を乗り越えられるように努力してもらいたい。

 そのためには何をすればいいのかをしっかりと考え、理想とする自分を見つけてください。しっかりとした基礎学力も必要です。皆さんが、これから、何か物事を判断したり、選んだりしなければならない時、中学校そして高等学校で学ぶ全てのことがらが、その判断・選択の基準として生きてきます。

  中学・高校で身につけた基礎学力が、皆さんの「人生を作る」財産になります。毎日の努力の積み重ねが、「将来の皆さん」を形作っていくのです。一生懸命取り組んでください。

 名残は尽きませんが、いよいよお別れの時です。3年間、皆さんと思い出を共有できたこと、とても嬉しく思います。

 もし、高校に進学して、何か困った時、相談相手が必要な時は、遠慮なく、皆さんの母校・浪速中学校を訪ねてください。

 皆さんの輝かしい未来に夢を託し、式辞といたします。