昨日の雨もすっかり上がり、穏やかな天気の中、浪速中学校・第52回卒業式が挙行されました。凛とした雰囲気の中、立派な振舞の3年生がそこに居ました。あまりに素晴らしく成長してくれた姿に心に熱いものがこみ上げてきました。やはり、浪速中学校の生徒はみんな素晴らしい生徒揃いであると実感した一日でした。
神前奉告の儀から始まり体育館で一人一人に卒業証書を手渡すことが出来、非常に幸せを感じることが出来ました。学校長として以下のような式辞を述べさせていただきました。
冬の寒さが残りつつも、やわらかな陽が差し、春の訪れを感じる、この佳き日に、学校法人浪速学院 浪速中学校・第52回卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生、教職員にとりましても大きな慶びであります。
まず、ご来賓として浪速高等学校・浪速中学校PTA会長 坂中真二様をはじめ、PTA役員の皆様にご臨席を賜り、生徒たちの門出に華を添えて戴きましたこと、壇上からではございますが、厚くお礼申し上げます。
保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。中学生は、心も身体も大きく成長する多感な時期で、ご心配の種が尽きなかったのではないでしょうか。それだけに、本日、立派に成長された姿を目の前にして、感慨もいかばかりかとご拝察申し上げます。
この3年間、教職員一丸となり、学習面はもちろんのこと、「心の成長・人間力の向上」ということを第一に、教育活動に取り組んで参りました。至らない点も多々あったかと思いますが、どうかご容赦をお願い申し上げますと共に、本校にお寄せ戴きました、暖かいご支援、ご理解、ご協力に対し、心より感謝申し上げます。
さて、136名の生徒の皆さん、卒業おめでとう。「中学校3年間」という大切な青春時代、この素晴らしい環境の浪速中学校で過ごし、大きな志をもって日々努力を行い、かけがえのない仲間とともに、全力で駆け抜けてくれたと思っています。今、皆さんが手にしている卒業証書には、様々な思い出が刻み込まれていることと思います。
クラブ活動では、勝利を目指し、チームの仲間とともに練習に打ち込んだこと。決して平坦な道ばかりではなく、躓いたり、悩んだりしたこともあったことと思いますが、その一つ一つが君たちの成長に大きく貢献していることでしょう。
クラスが一つにまとまっていく「合唱コンクール」、学年縦割りで頑張った「体育大会」や「飯盒炊爨カレー作り」そして、3年生の時には修学旅行に出かけました。いま世界では、戦争や紛争が起こっていますが、皆さんは鹿児島の知覧で平和学習をし、決して戦争は起こしてはいけないと学んでくれました。また、屋久島では、縄文杉や白谷雲水狭といった壮大な自然を体感しましたね。これらの行事を通じて、皆さんは友人との絆を深め、多くのことを学んでくれました。
浪速中学校は、神社神道を建学の礎として、大正12年に開校された「旧制浪速中学校」をその前身として歴史を刻んできました。そして開校100周年の節目の年に皆さんは入学してくれて、NEXT100としての新しい歩みを学校と共に始めてくれました。ご両親をはじめ、お世話になった多くの方々への感謝の気持ちを持つことが、浪速の伝統を引き継ぐことにつながります。
そして皆さんが歩み出した新しい時代は、変化の激しい時代になることは間違いありません。しかしそのような時代だからこそ、人間にしかできないこと、「人を尊敬すること」「人を思いやること」「感謝の心を持つこと」など、道徳の授業を始めとして、浪速中学校で学んだ人間としての魅力を磨いていってください。
このことは、木村理事長・学院長先生が、一斉参拝などの講話で述べられている「今を一生懸命に生きる」「今日という日を大切に生きる」という神社神道の教えに通じることでもあります。
人生が終わった後の安寧を願うのではなく、今まさに生きているこの一瞬一瞬を必死になって生きることで充実した素晴らしい人生を送れると思っています。それができてこそ、その後の安寧がもたらされるものであると私は考えます。このことをしっかりと自覚し、今後の人生をしっかりと生き抜いていただきたいと思います。
朝礼でいろいろな話をしましたが、今日は「幸せ」について話してみたいと思います。幸せとは一体どういったものでしょうか。もちろん人によって何が幸せであるかは違いますが、その根底にあるものは共通していると考えています。
オーストリアの精神科医・心理学者であるアルフレッド・アドラーによると、幸せの三原則とは、「自己受容」・「他者信頼」・「他者貢献」の3つです。これらの原則を意識し実践することで、人は「共同体感覚」を身につけ、幸せを実感できるとされています。
人間は他者と全くかかわることなく生きていくことはほぼ不可能です。人と深く関わらないで生きていくことは出来るでしょう。例えばそうして巨万の富を得たとして、それが本当に幸せでしょうか。
アドラーの言う「自己受容」とは、ありのままの自分を認めることです。自分の長所だけでなく、欠点も含めて受け入れることで、「自分は自分である」と肯定できるようになります。
次に「他者信頼」とは、他者が自分を支えてくれていると信じることです。これは、他者への感謝の気持ちと、健全な人間関係を築く土台となります。
最後に、「他者貢献」とは、他者や社会に貢献できていると実感することです。自分の存在が他者の役に立っていると感じることで、貢献感や生きがいが生まれます。
これらは浪速の道徳の授業で学んだ「自分自身・他の人との関わり・集団や社会との関わり・自然や崇高なものとの関わり」についてしっかりと考えていくこととほぼ同じです。皆さんは知らず知らずのうちに幸せの三原則を学んでいたことになります。今後はそれらを実践して「自分の幸せ」を手にしていく人生を送ってください。人は他者と深く関わることで幸せを感じるのです。
皆さんが、これから、何か物事を判断したり、選んだりしなければならない時、中学校そして高等学校で学ぶ全てのことがらが、その判断・選択の基準として生きてきます。学ぶ、勉強するということは試験のためにすることではないのです。
中学・高校で身につけた基礎学力が、皆さんの「人生を作る」財産になります。毎日の努力の積み重ねが、「将来の皆さん」を形作っていくのです。一生懸命取り組んでください。
最後に、皆さんが、浪速を受験しようと思った時のことを思い出してください。何がきっかけだったのでしょうか。そのことを遡って考えていくと、これといった理由がない人が大半だと思います。ではどうしてでしょう。私はこう考えます。皆さんは、この浪速の学院神社の大神様に導かれて浪速に来て、そして3年間見守られて、今ここにいるのです。この先、皆さんが「正しい心」をもって、「正しい行動」をしようとしたときは、学院神社の大神様が必ず見守って力を貸してくれるはずです。自信をもって生きていってください。
名残は尽きませんが、いよいよお別れの時です。3年間、皆さんと思い出を共有できたこと、とても嬉しく思います。
もし、高校に進学して、何か困った時、相談相手が必要な時は、遠慮なく、皆さんの母校・浪速中学校を訪ねてください。
皆さんの輝かしい未来に夢を託し、式辞といたします。
式終了後、PTAの皆様より、卒業記念品の贈呈、心のこもった謝辞、そして花束をいただき終了となりました。
明日からは3年生が卒業し、少し寂しくなりますが、修了式及び新年度に向けて気を引き締めて頑張ってまいります。




































