2021年10月29日金曜日

パラリンピック日本代表選手がやって来た!

  昨日、全学年生徒を対象に人権ホームルームを実施しました。今回はパラリンピック・アーチェリー日本代表選手の上山友裕さんを“Zoom”でお招きし、「夢、目標を抱く!~理想の実現の一歩として~」というテーマで講演をお願いしました。

 上山さんは同志社大学でアーチェリーを始められましたが、大学ご卒業後の平成22年、原因不明の両下肢機能障がいを発症され、車椅子での生活を余儀なくされています。ただ、上山さんの凄いところは、両脚の障がいをマイナスと考えず、それどころか「歩けなくてもアーチェリーは続けられる(良かった!)」とプラスに捉えられたところです。この超プラス思考をバネに猛練習を重ねられ、発症から2年後には強化指定選手に選抜され、リオデジャネイロパラリンピックで入賞。さらにドバイでの国際大会で見事優勝。今年の東京パラリンピックでも入賞を果たされています。

 上山さんは夢と目標について語られました。目標を持つだけでは不十分で、その目標の先にどんな夢を描いているかが大切。夢から逃げてはだめ。逃げられないように自分で夢を口に出すことで、有言実行につながるのであると。また逆に、遠すぎて届かないような夢を抱いているだけというのも感心しない。もう少し近くにあって、頑張れば届きそうな目標をもつこと。

 上山さんは言われました。「アーチェリーのおかげで素晴らし人脈を得た。足は悪くなったけれど、人生は良くなった」障がい者スポーツは、残された身体の機能を生かすことだと言われますが、口で言うほど簡単なことではないはずです。上山さんのような前向きさ、勇気、人に対する優しさ、そして想像を超えるような努力からくる言葉だと感じました。

 生徒たちも、上山さんの生き方に感銘を受けたようで、講演の後は多くの生徒たちが様々な質問を投げかけていました。人権教育も道徳教育とともに本校が重要視している心の教育です。今後も大切にしていきたいと思います。


2021年10月25日月曜日

オーケストラがやって来た!

  空気を揺らすような迫力の弦楽器、豊かに倍音が響き渡る個性豊かな管楽器、一打で音楽の表情を一変させる影の主役パーカッション。先週金曜日、日本を代表するオーケストラ・日本センチュリー交響楽団の皆さんにご来校頂き、文化庁主催事業「子どものための文化芸術鑑賞会」を開催しました。

  本校では毎年「芸術芸能鑑賞会」として、和太鼓、文楽、浪曲など様々な分野の芸術芸能に触れる機会を持ってきましたが、オーケストラは初めての体験です。また、昨年来のコロナ禍のため、音楽家の皆様におかれましては、ジャンルを問わず大変辛い思いをされていることと思います。それだけに、この度の鑑賞会が実現できましたこと、本当に嬉しく感じています。

 さて、日本センチュリー交響楽団といえば、前身は大阪センチュリー交響楽団、さらにその前身は大阪府音楽団かと思います。私事ですが、中学生の頃、自宅に大阪府音楽団のレコードがあり、ショスタコーヴィッチやロバートジェイガーの作品を、盤がすり減るくらい聴いていたことを思い出します。また、日本センチュリー交響楽団の皆様には、吹奏楽コンクールの審査員としても何度もお世話になりました。厳しいご指摘も頂きましたが、お褒めの言葉も添えて頂き、生徒たちにとって大きな励みとなりました。


 プログラムはクラシックが中心でしたが「カルメン」「水上の音楽」「天国と地獄」など、日頃クラシックをあまり聴かないであろう中学生たちにとっても馴染みのある曲を選曲されていました。徳山美奈子さんの「大阪素描」は初めて聴く曲でしたが、日本の祭り囃子をモチーフとした現代曲で、貴志康一の「日本スケッチ」、大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」を彷彿させる異色な曲で、生徒たちにとっても刺激的な曲だったと思います。 

 後半には、指揮者体験コーナーもあり、2名の生徒が「自分のタクトの動きでオーケストラを操る」という、得も言われぬ体験をさせて頂きました。


 最後は生徒会長より「本物の演奏を聴かせて頂き、これからも頑張っていこうという前向きな気持ちが沸いてきました。ありがとうございました」というお礼の言葉。そして花束贈呈、さらにアンコール曲は何と管弦楽版にアレンジされた本校の「校歌」を演奏して頂きました。いつも聴いている校歌とは全く違うシンフォニックな響きに生徒たちも聴き入っていました。

 60名もの大編成のオーケストラを間近で鑑賞させていただくなど、めったなことではできない貴重な体験です。お世話頂いた生徒会・自治会ご担当の先生方に改めてお礼申し上げます。


2021年10月22日金曜日

10月の中学校朝礼

  9月末で緊急事態宣言が解除され3週間が経過し、クラブ活動や学校行事も少しずつ正常に戻りつつあります。このまま感染が落ち着いておれば、春に実施できなかった校外学習も11月に実施したいと考えています。ただ、決して感染が完全に終息した訳ではありません。第6波の予測は難しいようですが、今は一時的な小康状態で、早ければ冬頃にやって来るという専門家もいらっしゃるようです。生徒の皆さん、気の緩みは禁物です。今まで通り、マスク・手洗い・消毒・密を避ける等、基本的な予防対策を継続してください。昼食も「黙食」を続けましょう。

 2学期は中間試験がありませんでしたが、いよいよ期末試験が迫ってきました。すでに2週間前に入っています。「すぐに準備を始めなさい」「復習を始めなさい」体調不良で欠席した授業ノートも確認しておきましょう。小さな躓きのため全体が分からなくなってしまうのは往々にしてあります。逆に言うと「全然分からない」と思っていた箇所が、ちょっとした躓きを取り除くだけで「目からうろこ」になることも多いのです。

 以前、こんな話をしましたね。『幸運は誰にでも平等にやって来るのではない。幸運は準備が整った人を選んでやって来る』試験範囲も広く科目も多いので早めの準備が決め手です。2学期期末試験は、11月4日(木)~8日(月)です。

 さて、先週土曜日、中学校入試プレテストを実施しました。皆さんも経験してきたと思いますが、受験校を決める大事な時期となっています。そのために、プレテストを受験して学力を確認したり、校舎・施設・設備などを見学される方も多数いらっしゃいます。来週土曜日30日に、来春本校受験を検討されている方々が、授業の見学に来られます。Chromebookを格好良く使いこなし、真剣に授業を受ける皆さんの姿を見て頂ければ、きっと「この中学校の生徒になりたいな」と感じて頂けるはずです。

 最後に、1,2年生は本日の5,6時間目、オーケストラの鑑賞会を実施します。日本センチュリー交響楽団という日本を代表するプロのオーケストラの演奏を聴かせて頂きます。オーケストラはもちろんyoutubeやCDでも聴くことはできますが、生の演奏は違います。皆さんにとって貴重な体験となることでしょう。お楽しみに。



2021年10月9日土曜日

三様の稽古

  先日のブログで、武道の型について触れましたが、柔道には「三様の稽古」と呼ばれる「練習の型」があるそうです。

 東京オリンピック柔道で男子81キロ級を制した永瀬貴規選手によると、三様とは、練習相手の実力に合わせて「格上」「同等」「格下」という三つの稽古があり、格上には、果敢に挑んで技をかけ、失敗することで自分の問題点を知る。同等には、実戦に近い稽古をし、勝負勘も養うことを目指す。格下は相手を引き立てながら、試したい技や防御を入念に確認するのだそうです。

 やみくもに練習するのではなく、どうすれば上達するのかをよく考えながら取り組むことで、実力差のある相手との練習も実りあるものになるのだといわれています。そういう稽古があったからこその金メダルなのでしょう。

 さて、三様の稽古を日頃の勉強にあてはめてみましょう。時には自分の実力以上の難しい問題にも向き合う。実力相応の問題には正面から取り組み、簡単な問題では、確実にこなす集中力とスピード感を養い、さらに別の解法を試したりする。まずは自分の現在の実力がどのくらいか見極めること。簡単な問題ばかり解いて過信していませんか、応用問題ばかりに挑んでいませんか。

 本校は2学期中間試験を設定していません。言い換えれば、試験勉強に追われることなく、苦手の克服などじっくり腰を据えて勉強に打ち込める時期です。10月、11月は最も学力が伸びる時期とも言われます。時間に余裕のある今、「三様の稽古」を試してみては。

〈10月後半の予定〉

  • 18日(月)すらら定期試験
  • 22日(金)朝礼、文化芸術鑑賞会
  • 23日(土)休校日
  • 26日(火)総合学力調査(2,3年生Ⅰ類)
  • 28日(木)期末試験1週間前


2021年10月4日月曜日

武道もダンスも必修です

  本日、女子生徒による空手道演武、男子生徒によるダンスの学習発表会を実施しました。

 保健体育科の学習内容は学習指導要領にて、A.身体つくり運動 B.器械運動 C.陸上競技 D.水泳 E.球技 F.武道 G.ダンス H.体育理論、の領域に規定されており、3年生は若干選択の部分がありますが、1,2年生は全領域必修なのです。かつては、ダンス・武道は選択扱いの時期もあったようですが、現行のカリキュラムでは男女とも全員履修しなければなりません。本校では全学年とも男子は空手道演武を女子は創作ダンスを“学習”し、毎年体育大会にてその成果を発表していますので、本日は未履修の部分、即ち女子の武道、男子のダンスの学習発表を行いました。


 ダンスは元々は喜び、悲しみ、祝い、神様への奉納など、人間の根源的な感情を表現するためのものであったと思います。今回のような創作ダンスやヒップホップをみんなで踊る楽しさを味わうことも大切ですが、同時に集団の中で助け合ったり、教え合ったり、お互いの能力の違いを認め合うことも大切です。また、日本の民踊や、外国の踊り(フォークダンス)にも興味を持ち異文化理解に役立てて欲しいと思います。

 武道は技を磨き勝敗を競う楽しさはありますが、常に相手を尊重する精神が欠けてはいけません。また日本の伝統文化として、武道の身体の動かし方や呼吸法、更に考え方も含めた “型の美しさ” を感じ取ることも大切です。空手道だけでなく、相撲、柔道、剣道などにおける長年受け継がれてきた “型の美しさ” すなわち “様式美” はいつの時代になっても不変です。


 何か新しいことを学ぶことは人生を豊かにしてくれます。多くの時間を費やして専門的に学んだわけではありませんが、体育の授業でダンスと武道を学んだことで、皆さんの学校生活が少しでも豊かなものになってくれることを願います。