2021年12月10日金曜日

生徒のモチベーション

  先月の朝礼で、人が何か行動を起こす時の動機には恐怖・利益・名誉・好奇心の四つがある、という話をしましたが、「名誉」の例として面白い新聞コラムがありましたのでご紹介します。

 『遊んでばかりのガキ大将でろくに勉強もしてなかった小学6年の時、成績優秀な親友に誘われて塾の夏期講習に初めて参加した。私立中学を志す優等生達の中、お門違いで当然ながら落ちこぼれた。授業中に先生から当てられ答えたら大間違いしたのを数人に笑われた。休憩時間、ばかにしたヤツらの胸ぐらをつかんで威圧したが何だか気が晴れなかった。暴力でしか自己主張できなかった自分が恥ずかしかったから。

 とにかく悔しくて、以後は友達との遊びもそこそこに手当たり次第に参考書を読みあさり問題集を解き続けた。そのせいもあってか、夏休み明けからは成績はどの教科も急上昇。ちょうど引っ越しのタイミングも重なり、転校先ではガキ大将のレッテルははがされ、特技はけんかから勉強とスポーツに変わった。努力が成績と評価につながるという達成感で、嫌いだった勉強はいつしか楽しくなった。

  子どもたちには、何でもいいから勉学の楽しさに目覚めるきっかけをつかんでほしい。』

 何がきっかけになるか分からないものですね。私事ですが、一時期まで音楽を志していたきっかけは、小学5年生でのハーモニカのテストでたまたま上手く吹け、通知表に “音楽5” をもらったことでした。

 朝礼でも話したように、最初のきっかけは何でもよいので、徐々に名誉・好奇心のレベルにもっていくことが大切です。コラムの筆者も最後は「勉強が楽しくなった」つまり好奇心の段階まで高まっています。


 先生方は、生徒との触れ合いの中での何気ない先生の一言が、生徒の動機付けのきっかけになったり、大きな影響を与える場合があることを忘れてはいけません。生徒と共に夢を育むような先生であってほしいと思います。