2021年12月14日火曜日

道徳教育研究会

  本日、皇學館大学 教育学部教授 渡邊毅先生をお招きして、道徳教育研究会を実施いたしました。

 本校におきましては、学習指導要領が改訂され、それまで教科外活動であった道徳が正式に特別な教科とされる以前に、理事長・学院長より「これからの中学校教育のキーワードは道徳である。道徳教育を推進せよ」という方針が示され、以来平成24年には道徳教育推進チームを立ち上げ、教育学をご専門とされる、著名な大学の先生方のご指導を受けながら研修を積んで参りました。本日ご指導を賜りました渡邊教授は常にその中心的な存在であられ、浪速中学校の道徳教育における顧問的な先生でいらっしゃいます。

 本校に対するご指導は約10年に及び、今回のように渡邊先生にご来校頂き、本校教員の授業ご参観の後ご高評を頂く形とともに、毎年7月の伊勢ホームルーム合宿では、渡邊先生の道徳特別授業を生徒たちと共に教員も受講させて頂くことで、教員にとりましても貴重な研修の場とさせて頂いております。

 先生の熱心なご指導のお蔭で、道徳教育全国大会で研究発表をさせて頂いたり、文科省検定教科書の執筆に携わる教員も現れ、今や道徳教育は本校教育の三本柱の一つに位置づけるまでになっております。


 午前中は本校教員による公開授業、午後は授業の検討会及び講演をして頂きました。授業に関しては「指導技術以上に、授業に対する教員のひたむきさや真剣さが生徒の心を掴む。生徒はそれを敏感に感じ取る」というご指摘を頂きました。また検討会では「校内研修を実施する際には教員間で共通の物差しが必要であり、それは『学習指導要領』である。学習指導要領をじっくりと読み込むべき」というアドバイスを頂きました。


 講演会は “道徳教育の効果” というテーマでお話頂きました。心理学研究からの検証では「書くこと」「言葉遣いや行動」の重要性について詳しく説明して頂きました。

 実例からの検証では「道徳教育をきちんと実践している学校ほどいじめ、問題行動や不登校が少ない」ということを、具体例・データを示して説明して頂きました。


 最後に渡邊先生が紹介された「義務教育に関する意識調査報告(ベネッセ実施)」が非常に興味深い内容でしたので以下に記載いたします。

  • 【問い】「学校で育ててほしい能力は何ですか」
  • 【回答】 第1位「善いことと悪いことを区別する能力」(小学校74.1%、中学64.7%)

今回ご教示頂きましたことを糧とし、今後も研鑚を重ね教育実践の向上に努めていきたいと思います。

渡邊 毅(皇學館大学教育学部教授)

昭和35年、愛知県生まれ。皇學館大学文学部国史学科卒業。三重県公立学校教諭を経て現在皇學館大学教育学部教授。専門は道徳教育。文部科学省検定教科書(日本教科書)著作執筆者。主な著書に『伊勢の神宮のおはなし 子どもたちに伝えたい式年遷宮(明成社)』『道徳の教科書 善く生きるための70の話(PHP研究所)』など多数。

【オンライン公開】初の試みとして、今回の研究会をオンライン公開いたしました!定員100名・Zoomにて配信いたしました。