2021年6月5日土曜日

芒種

  今日6月5日は二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」。稲などの穀類の種まきをする頃とされています。先月末には、天皇陛下が皇居の水田で「お田植え」をされているご様子が報道されていましたね。

 6月の別称としては「水無月(みなづき)」が一般的ですが、田んぼに水を張るところからきた「水張月(みずはりづき)」という別称もあるそうです。水田はあぜで囲まれ雨水を貯め、その水が地面に染みこみ地下水となり、最後はまた川に戻ることになるので川の流れが安定し、ひいては洪水・氾濫の防止に役立つそうです。また水田の水の蒸発や、稲の水分が水蒸気になって発散することにより、気温の上昇を防ぐ効果もあります。カエルなど多くの生き物のすみかにもなっています。 “食料を生産” するだけでなく環境保護にも役立っているのです。

 稲作のルーツがどこにあるのかについて、神話の中で触れられている箇所があります。それは、ニニギノミコトが高天原から地上に降る時に、天照大御神から「これでみんなのお米を作りなさい」と一房の稲穂を授けられたという「天孫降臨」神話です。本校では、東館2階に、大きなステンドグラス風の天孫降臨図パネルが設置されています。まだ見たことがないという生徒は、回廊に立って東門(天岩屋戸門)の方を見てください。

 さて、本校生徒が食前・食後の作法として毎日唱和している本居宣長の和歌も、五穀豊穣に感謝し、毎日ご飯が食べられることに感謝する歌です。

   〈食前〉たなつ物 もものきぐさも天照らす 日の大神の恵み得てこそ

   〈食後〉あさよいに もの食うごとに豊受の 神の恵みを思え世の人

 瑞穂の国の宝を大切に、常に感謝の心を持って生きていきたいと思います。