2020年10月26日月曜日

中学総合学力調査

  24日(土)、六年一貫コース・2,3年生が「中学総合学力調査」を受験しました。

 新しい学習指導要領への移行が始まり、来年1月には初めての「大学入学共通テスト」が実施されます。学力の三つの柱が示され、特に十分な知識を基礎とした「思考力・判断力・表現力」が重視されています。全ての大学入試で何らかの学力試験が課されるようになり、小論文や自己推薦文において「思考力・判断力・表現力」が問われることになります。

 この中学総合学力調査は、知識の定着という観点よりもむしろ、どの程度「思考力・判断力・表現力」が身に付いているかという観点によって評価されます。英語の場合、自分の考えやその理由を英語で表現する力。また数学なら文章やグラフなどから情報を読み取り、図形や数の性質を利用して判断する力が評価されます。

 さらに、国語・数学・英語に加え「教科融合」という教科が設定されているのが特徴で、これは今までに学んだ各教科の知識や考え方を組み合わせたり、“教科横断的”に使えるようになっているかが試されます。例えば、一見国語の文章題のようで、設問は文中の歴史的知識を問う、といった問題です。25日の朝日新聞にも “教科横断型問題” の記事が出ていましたので以下に紹介します。

 今年12月に地球に帰還予定の探査機「はやぶさ2」を例に考えてみましょう。はやぶさ2は2014年に鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられました。なぜ、種子島に宇宙センターがあるのでしょうか。これにはまず、理科の知識が必要です。打ち上げ場所は赤道に近ければ近いほど、地球の自転エネルギーを多く利用できることなどから効率がいいのです。ではなぜ、沖縄県ではないのかといえば、設立を決めた当時、沖縄は米国の統治下だったからです。これは社会の知識です。

 常に時事ニュースに関心を持ち、疑問箇所はすぐに調べて解決する、という態度が望まれます。

 いつも話しているように、生徒の皆さんは試験を受けっ放しにするのではなく、振り返りを行うことが重要ですが、教員側も振り返りが必要です。学習指導要領が変わったからといって自動的に教育の中身が変わるハズがありません。教員自身も変わらなければなりません。後日返却される結果に向き合い、日頃の授業が「思考力・判断力・表現力」を育てるものになっているのか、アクティブラーニングが狙い通りの効果を上げているのか検証する良い機会と捉えて欲しいと思います。